誰もがストレスを抱えています。
ネット上の記事や本をみると、「ストレスを軽減しましょう」「ストレスを解消しましょう」と簡単にかいてあります。
が、はて、何をすればいいんじゃ。
こう思ったことはありませんか?
そもそも、ストレスにも色々な種類があります。
ストレスの原因となる外的刺激をストレッサーといい、これを含めてストレスと表現されることもあります。ストレッサーには、暑さ寒さや有害物質など物理的・化学的なもの、病気や飢え・睡眠不足などの生理的なもの、職場や家庭における不安・緊張・恐怖・怒りなど心理的・社会的なものなどがあります。人間では特に心理的・社会的ストレスが大きいとされています。
e-ヘルスネット(厚生労働省)
特に、シングルマザーの日常は、
職場では緊張や怒り
家庭では将来への不安
経済的な不安や緊張
子育ての緊張や怒り
寝不足
など毎日フルタイムでストレスがあります。
そこで今回の記事では、その日々のストレスを効果的にサクッとセルフケアできる方法を3つ挙げてみました。
セルフケアは、ストレス解消に重要な役割を果たします。
一般にストレス解消というと、自分の好きなことに時間を使う、趣味を楽しむなどが思い浮かびます。
なのでここでは、お金のかからない日常の家の中でセルフケアを実践する方法を紹介します。
効果も高いと言うエビデンス多々あり、私も実感したトップの3つです。
ぜひ、参考にしてもらえると幸いです。
こちらは、読んで面白かった!自分に合う科学的ストレス解消法がきっと見つかる本!
自宅でできてお金のかからないセルフメンタルケア「瞑想」
自宅で無料でできるリラックス法
ストレスを軽減するために、「自宅で」「無料で」「簡単に」できるリラックス法を取り入れます。
特におすすめは、瞑想とヨガ(ボディスキャン)です。
瞑想やヨガは、エビデンスでストレスの緩和が証明されている方法のひとつです。
この場合のヨガは、パワーヨガなどの運動というよりは、ボディスキャン瞑想に近いヨガのことです。
シングルマザーの日常は、時間管理や先読み、段取りで頭の中がいっぱいです。
更にはフルタイムで働いていたり、仕事を掛け持ちしていることもあります。
経済的に少しでも足しになるように副業をしている人もいます。
頭も身体も毎日フル活動です。
ストレスの緩和は、マインドフルネス=「今」に意識を向けることが有効とされています。
瞑想はまさしく、呼吸という今の状態に意識を向け頭に思い浮かぶ様々なことを受け流します。
ヨガは様々なポーズを取ることで、使っている筋肉、伸びている箇所、自分の身体の部位に意識を向けることに集中します。
同時にストレッチもできて身体を動かせる、一石二鳥のストレス解消法です。
瞑想やヨガで、今自分の呼吸や身体の様子に意識を向けることに集中することで心と体の緊張を和らげることができます。
職場や子育てで起こる「認知のゆがみ」に気づく!
ストレスを知らずにためている認知のゆがみ
認知のゆがみをごぞんじですか?
「認知のゆがみ」とは、気持ちや感情が動くような出来事があったとき、瞬間思い浮かぶイメージや考えで出来事を解釈してしまい、柔軟さがなく、客観視しづらくなっている状態です。
ひとつ、例をだしましょう。
友だちと観光地にいる時、雨が降ってきました。
この出来事に対して、「ああやっぱり。私って雨女だから」とつぶやく人、周囲にいませんか?
「雨男」「雨女」という概念は、認知行動療法の観点から見ると、認知の歪みのおもしろい一例と考えられます。
もちろん、この言葉を使う時は一種のネタです。
よく聞かれるこの言葉、認知行動療法の視点から見ると以下の様に考えることができます。
「過度の一般化」
一度や二度の経験を元に「自分が外に出ると必ず雨が降る」といった一般化した考えを持つことです。
これは、限られた事実だけを取り出し、他の事実をすべて削除した結果、全体を判断する認知の歪みです。
「個人化」
自然現象や偶然の出来事を自分に関連づけることで、あたかも自分が原因であるかのように感じることです。
「私が外に出ると雨が降る」という思考は、自分の行動が天候に影響を与えると過剰に信じ込んでしまうことです。
その他にも、他人の責任で起こった出来事も「自分のせいだ」と考えてしまうような思考もこれにあたります。
そんなゆがみなんて私にはない!
そう思ってはいても、感情を揺さぶられる出来事があったときに「自動的に」「ぽんっ」と湧き上がる考えやイメージなので、あまりにも自然で無意識で起こってしまうので、気づかないこともあります。
また、上記に書いたもの以外にも陥りやすいゆがみは他にもあります。
そして、その思考のくせが少しずつ自分にストレスをかけていることがあります。
そのゆがみに気付いて、他の考えも取り入れてみようかな、というのがセルフで行う認知行動療法のコラム法というものです。
ただし、こちらは日常に感じる「ちょっとした感情のゆれ」に対応するもであり、深刻な心の悩みやうつ治療の代わりになるものではありません。
認知行動療法とは本来ならば、精神科医や十分な知識と経験を持つ臨床心理士や公認心理師がカウンセリングの場にて、原則として30分間の面接を16-20回行うものです。客観的な視点があることが重要であるためです。
ここでは、認知療法を知識として知り、日々仕事でのイライラ対処だったり、日常生活の中でストレス緩和を目的とするものと考えてください。
ストレスに負けないスキルが身につく【Awarefy】認知行動療法のコラム法
自分の思考のクセを自覚して再構成する、実際の認知行動療法でも使われる手法です。
ネガティブな感情が起こった出来事に遭遇したときに、自分で7項目を順序どおりに書き出してゆくことによって認知のゆがみに気づきバランスのとれた思考に修正してゆく方法です。
日々のストレスをリアルタイムで解析できるようになれば、その日のうちにストレスが軽減できると同時に今後の出来事へも対処できるようになってきます。
7つの コラム | 詳細 | 例 |
(1)状況 | 感情が動いた時の出来事を、事実のみを詳細に書き出す(5W1H) | 友人にLINEに明日午後の待ち合わせ場所のメッセージを送ったが、既読はすぐついたけれども返信がこない |
(2)気分 | 感情が動いた時の出来事があったときの感情を一言で表し、その強さを0~100%で記入、一番つよく感じたものに◯をする | とまどい50%、◯イライラ70%、怒り60% |
(3) 自動思考 | 感情が動いた時の出来事があった瞬間、パッと頭に浮かんだ考えやイメージを記入する | 私は友人を怒らせるようなことをしたのかもしれない やっぱり私は人から嫌われるのだ |
(4)根拠 | 浮かんだ自動思考が正しいと裏付ける客観的な事実を記入する | 既読がすぐに付いたということは読んでもらえてるはず。明日のことなのに返信がないのは私のことをどうでもよいと考えているからだ。もしくは私からのメッセージにイラッとしたせいかもしれない |
(5)反証 | 浮かんだ自動思考に反証する客観的な事実を記入する(「現時点では」「現状では」「その状況では」と加えるとかきやすい) | 既読でも現時点では忙しく返信をうつ時間がないのかもしれない 既読がついてすぐに返信がないことが、イコール嫌われているという判断は極論すぎるし何も根拠がない |
(6) バランス思考 | (3)の自動思考とは違う、根拠と反証から導かれるバランスのとれた考え方を記入する(根拠と反証を「しかし」でつなげてみる) | 既読がついたのに返信がないという事実だけで自分が嫌われる人間なのだと判断するには考えの飛躍がしすぎているし、客観的事実がない。 既読がつくパターンも色々あるので必ずしも確認できたということではない。 返信がすぐに来ないことも、相手の状況が忙しくてできない、運転中である、急用があるなどかもしれないのに 「相手がすぐに返信したくないのだ」と決めつけるのは柔軟性がない考えだ。 自分の場合を考えてもすぐに返信ができないこともたくさんある |
(7)今の気分 | バランス思考を体験した後の気分や感情の強さを0〜100%で記入する | とまどい10%、イライラ10%、怒り10% |
自動思考キャッチトレーニングの役割
コラム法の3番目、自動思考をキャッチするにはトレーニングが必要です。
ポジティブな自動思考ならば問題はないのですが、ネガティブなものだとしたら知らぬ間にメンタルに大きなダメージを与えることになります。
ただ厄介なのは、自動思考というだけあって自分ではどんなことを考えたのか、そしてそれが歪んでいるかもしれないことに「気づかないこと」なのです。
そこで、自動思考を意識して書き出すことによって自分がどのような認知のクセを持っているのかに気づくようにします。
トレーニングは簡単で、上記のコラム法で不快な感情が起こった出来事に遭遇した際に「現状→気分→自動思考」の流れをこまめに書き出すことです。
状況 | 気分・身体の反応 | 自動思考 |
上司から、終業10分前に明日の会議資料の修正を命じられた | イライラ85%、怒り80%/胃がムカムカした | いつもこのパターンで残業させられる 私のことを嫌っているのではないか |
朝、幼稚園に行く子どもが玄関で靴を履くのに10分かかった | イライラ85%、あせり80%/声を荒げる | 私を困らせたいに決まっている なんで朝の忙しいときにグズグズするのか |
上記のコラム法をすべて毎回することはなかなか手間がかかりますが、自動思考のトレーニングだけでも書き出すことによってだんだんと自分の認知のくせが目に見えてきます。
毎日書き出すことを14日間、その間に似たような思考のクセが出てくると思うので、そのクセをコラム法で取り扱います。
こうしたトレーニングを通じて、認知の歪みを修正し、より現実的で前向きな思考を養うことができストレスも軽減されてきます。
ストレスに負けないスキルが身につく【Awarefy】認知の歪みの種類
認知のゆがみとは、物事を自分の思考のクセによって判断してしまい、客観的や柔軟さが描けてしまっている状態です。
良い面も悪い面もありますが、特に悪い面へのゆがみが極端になるとストレスがかかりやすい傾向があります。
1976年に心理学者のアーロン・ベック(Aaron Temkin Beck)によって認知の歪みの基本的な理論が提唱されました。
心理学的学説に基づく認知の歪み10パターン
認知のゆがみパターン | 説明 | 例 |
全か無か思想(ゼロヒャク思考・オールオアナッシング) | 全ての物事を白黒はっきりさせないと気がすまない思考です。完璧主義者の考え方です。 すべてを完璧に下がり、何気ないミスや失敗がひとつでもあると、全部がダメと考えてしまいます。 | 今日作った資料の中に誤字があった。だから私は資料作りに向いていない |
一般化のしすぎ | 一度起こった失敗や悪い出来事が、これから先のどんな状況でも同じことが繰り返されると思い込むことです。 「いつも」「絶対」「すべて」「常に」「全く」「決して」という言葉をよく使う人によく見られます。 | 今日作った資料の中に誤字があった。私は毎回いつも同じミスをしている。 |
心のフィルター (心の色眼鏡) | 起こった出来事の良い面を悲観的に捉え、悪い面ばかりを見てしまう状態のことです。物事を客観視できていない状況です。 | 今日作った資料の中に誤字があった。短納期で仕上げたけど誤字があったらなんの意味もない。 |
マイナス化思考 | この傾向が強いと、良いことがあっても良いと思えなかったり、「これは偶然うまく行っただけだ」と常に悪いほうへ考えてしまったりすることです。 | 今日作った資料の中に誤字があった。よくまとまっていたと褒められたけれどもこれは偶然で、次はミスをしてきされてしまうだろう。 |
結論の飛躍 | 誰もわかるはずがない将来のことを決めつけてしまったり、他人のちょっとした言動でその人の人格をきめつけたりと、客観的な事実もなく徹底的にネガティブな結論を考える状態です。「心の読みすぎ」と「先読みの誤り」の2タイプがあります。 ①心の読みすぎると、相手が考えていることをネガティブに捉えがちです。 ②先読みの誤りをすると、先のことを「絶対に事態は悪くなる」と決めつけやすくなります。 | 今日作った資料の中に誤字があった。私は、一生仕事ができない人間であり続けるだろう。 |
拡大解釈と過小評価 | 自分がしてしまった失敗など、ものごとの悪い面を想像できる最悪の状態まで拡大解釈し、反対に良くできていることは大した事ないと小さく過小評価する状態です。 | 今日作った資料の中に誤字があった。このことで会議が滞ってしまうかもしれない。内容がまとまっていても大したことではない。 |
感情的決めつけ | 客観的事実がないのに、自分の感情を根拠にものごとを決めつけてしまうことです。 物事の判断基準が、自分の気分の良し悪しによって変わります。 | 今日は仕事をする気力が起きないので、資料が作れない。 |
すべき思考 | 「〜すべき」「〜をしなければならない」「~であるべきだ」と考える思考パターンです。 自分ルールや法則を作って過度なプレッシャーを自分にかけてしまうので、自分に失望したり追い込見すぎるリスクがあります。また自分の価値観を他人にも押し付けてイライラしたり失望したりします。 | 資料は完璧に作るべきだ。自分の時も他人が作るときもそうあるべきだ。 |
レッテル貼り | たった一度起きたことやその人の一部の性質や行動を見て、自分や他人にネガティブな判断をし価値を決める考え方です。 前述の「一般化のしすぎ」が過剰に行き過ぎている状態です。 | 今日作った資料の中に誤字があった。私はミスが多い仕事をする人間だ。 |
個人化 (自己非難) | 悪い出来事が起きたとき、自分に関係がないにもかかわらず、自分の責任だとする考え方のことです。 | 会議が長引いたのは私の作った資料に間違いがあったからだ。 |
アプリで認知のゆがみを改善する方法
認知行動療法は、セルフでも実践してゆくと、認知のゆがみへの気付きが期待できます。とはいえ、「本を読む暇がない」「専門家のカウンセリングはハードルが高い」「このやり方であってるかわからない」という方も多いかと思います。
そのような場合は、アプリを活用して、セルフ認知行動療法に取り組むのもおすすめです。
デジタル認知行動療法アプリ「Awarefy」は、専門家監修のもとで開発された認知行動療法アプリです。認知行動療法の理論を取り入れた機能が多数搭載されているので、認知のゆがみを効果的に改善したい場合におすすめです。
私も使用してみましたが、第一印象、AIのキャラクターが可愛くて癒やされます。
認知行動療法のコラム法をセルフで行う際、もっとも人手がほしいのは、「客観的な視点」です。
自分以外の視点から、肯定的な意見をもらうことで「ああ、こういう考え方があるのか」「自分の思考はこんな偏りがあるんだ」と気付かされることが多いためです。
けれども、なかなか認知行動療法のような、同じストレス対処法の方法を知っている人には出会えません。
なので、こういったアプリは本当に助かります。
無料で利用できる機能も充実しているので、まずは気軽にダウンロードしてみて試してみることをおすすめします。
睡眠時間は絶対に確保する方向で!
とにかく睡眠時間を確保する習慣
睡眠の質を上げる、という話はよく聞きます。
眠る数時間前から部屋の電気を薄暗くして〜
眠る数時間前に入浴を終わらせて〜
眠る数時間前に食事を終わらせて〜
はい、ムリ。
なのです。実態は。
毎日ギリギリまでやることがたまりにたまり、なにかと忙しいシングルマザーにとっては土台無理。
それならば、睡眠時間をできるだけ長く取れるようにすることを優先、だと思います。
入眠のための準備ができなくても睡眠の時間をとりあえず確保する。
これが大切だと思います。
1日がようやく終わって、子どもたちも眠りようやく一人の時間。
きっとただなんとなくSNSやテレビを見てぼーっとしてしまう人も多いと思います。
私もそうでした。
こんな時間をとるなら眠ったほうがいいとわかっていても…
これがまたストレスにつながっているのでしょうね。
夜の時間、すぐ眠ってしまうと一人の時間がない、ということであれば、まずは何時に布団に入る!と決めてしまう。
その上で、ヨガをしながらSNSをみたり、認知行動療法のコラム法や自動思考をまじえながら1日の思考やストレスを書き出すこともいいと思います。
そして、朝型が自分にむいているのであれば、私は断然、早起きしてひとり時間を取ることをおすすめします。
なぜならば、「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」によってセロトニンが活性化するためです。
本当は、朝起きてから1時間以内に15~30分の散歩をするのがよいのですが、シングルマザー、子どもをそのままに散歩はなかなか難しい。
なので、朝起きてすぐにゴミを出しにいくついでに軽く歩いてみたり、日光の当たる部屋で動きのある自宅エクササイズがおすすめです。
そして、子どもと一緒に朝食をよく噛みながら取る。
そうすることで、セロトニンが活性化し、体内時計がリセットされ、「副交感神経」から「交感神経」への切り替えがうまくいき、自律神経が整えられます。
また、そんな1日のスタートを切れば、体内時計がリセットされてから、15~16時間後につぎはメラトニンが分泌されて「眠気」が出ます。
そうすると夜に自然と眠気がおこり、ぐっすり眠れるというリズムが出てきます。
夜眠る前に入念な準備を行わなくても、良質な睡眠がとれる可能性が高くなりますね。
それでは「まとめ」いきましょう
シングルマザーとして忙しい毎日を送る中で、自分自身の健康を維持することは簡単ではありません。しかも、めまぐるしく過ごす生活の中で、シングルマザーにとって一番に後回しにしがちです。
そして、さらに気づきづらいのが、毎日少しずつ積み重なる「ストレス」です。
しかし、意識してストレスケアを行うことで、驚くほど心が軽くなり、健康的なメンタルを維持してゆくことは可能です。
この記事が、あなたのストレスケアの一助となり、大変だけど楽しいと思える毎日を送るためのヒントとなれば幸いです。