
なぜシングルマザーこそ「税金」に強くあるべきか
「税金の話って難しくて、つい後回しにしちゃう……」
「自分自身の仕事のことなんて、今働くので精一杯」
その気持ち、痛いほどよくわかります。
日々の仕事、家事、育児、そして元夫との共同養育の調整。
目の前のことで精一杯な時に、小難しい数字や自分のスキルなんて考えたくないですよね。
正直、時間が空いたら少しでも休みたい…!!!
しかし、断言します。シングルマザーこそ、税金の知識と自身のスキルが「手残りのお金」を劇的に変えます。
私はこれまで10年以上、共同養育を行いながら子どもを育て上げました。
その過程で、税金の申告漏れで大損しそうになった経験もあれば、自分のスキルを味方につけて教育資金を捻出してきた経験もあります。
過去から現在まで、非正規がほとんど。今も派遣社員として働いていますが、根底にあるのは「制度を知って守りを固め、スキルを磨いて攻め(稼ぎ)を最大化する」という戦略です。
この記事では、私の手痛い失敗談を交えつつ、今日から役立つ「シングルマザーのお金の大論点」を解説します。
絶対にチェック漏れをしてはいけない「ひとり親控除」の基本
まず、私たちシングルマザーが受けられる最も大きな控除の一つが「ひとり親控除」です。
ひとり親控除のチェックは忘れずに!
「納税者がひとり親であるときは、一定の要件の下で、所得控除を受けることができます。これをひとり親控除といいます。控除額は35万円です。」
国としては、ひとり親家庭の生活・養育負担への税制上の配慮がメインですが、子どもの貧困・生活の安定を支えるというものが根底にあるようです。
ひとり親の収入は、即子どもの生活の基盤、ということですね。何がともあれ、控除が増えるのは大きい。
実務上の手続き
会社員や社会保険加入条件を満たす派遣社員は、年末に配られる「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」欄にある「ひとり親」にチェックを入れるだけで完了します。
難しいことはありません。
実体験:総務も「人間だもの」。私が3年分の税金を取り戻した話
ここで、私の苦い、でも教訓に満ちたエピソードをお話しします。
以前、某派遣会社で働いていた時のことです。
契約当初から「ひとり親であること」を伝え、書類も提出していました。
当時の私は、「会社がやってくれているんだから大丈夫だろう」と、源泉徴収票の中身もろくに確認せず、住民税の通知が来れば「高いなぁ」と思いながら支払っていました。
きっかけは、それから3年後。子どもの給付型奨学金の申請のために所得証明書を取得したとき、ふと違和感を覚えたのです。
「あれ……? 控除額が、計算と合わない?」
慌てて調べたところ、なんと「ひとり親控除」が適用されていなかったのです。
派遣会社の担当者がチェックを見落としていたのか、システム上のミスか……。
その結果、私は3年間にわたり、本来払わなくていいはずの所得税と住民税を多額に支払っていました。
一瞬血の気が引きましたが、調べると「更正の請求」を行えば5年前まで遡って申告できることが判明。
即座に市役所と税務署へ走り、無事に過払い分を取り戻しました。
金額にして、当時の給与の3分の1相当の金額…!これは大きかった…!
「総務の人も、人間だもの。ミスはあります。」
自分の身を守るのは、会社ではなく「自分の知識」だと痛感した出来事でした。
源泉徴収票の「控除対象扶養親族」や「ひとり親」の欄が正しく反映されているか、必ず自分の目でチェック!
確定申告を劇的にラクにする最強の組み合わせ
転職が多い時期や、副業で年間20万円以上の収入がある場合、避けて通れないのが「確定申告」です。
e-Tax+マイナンバーカードの利便性
かつての確定申告は、分厚い手引きを読み、税務署の長い列に並ぶ苦行でした。
私が初めて確定申告をしたときは、半日ほどかけて自分で調べて記入。
その後、税務署に早い時期から予約をとり記入が間違っていないかを確認してもらい提出したことを覚えています。
しかし、現在は内容が複雑でなければ、「e-Taxの利用」と「マイナンバーカード」があれば、スマホ一つで完結します。
「e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用すれば、自宅からインターネットで申告・納税が可能です。添付書類の提出省略や、還付金の早期受取りなどのメリットがあります。」 出典:国税庁:e-Taxのメリット
3月の税務署の行列を横目に「ポチッ」で終了
毎年3月の税務署内やその付近では、人相が変わるほど険しい顔をして人を捌く税務所勤務の人と疲れ切った相談者たちの列に遭遇します。
e-taxがあっても、読み取りリーダーをもっていなかった頃は、混雑する税務署に出向くことが苦痛でした。
でも、マイナンバーカードがでて、マイナンバーカード対応のスマートフォンを導入してからは世界が変わりました。
- 税務署まで移動時間:0分
- 待ち時間:0分
- 提出:スマホで送信、または印刷してポストへ投函
特に共同養育をしていると、子どもの送り迎えや元夫とのスケジュール調整で分刻みの生活になりがち。
この「数時間を買い取る」感覚は、忙しいシングルマザーにとって何よりの節税ならぬ「節時」になります。
自分の時間はタダではない。脳内の考える余白を常に開けておく。これが毎日をスムーズに動かすための秘訣です。
働き方をセーブすべき?非課税ラインと「稼ぐ」の損得勘定
よく「年収135万円(所得135万円)を超えると損をする」という話を聞きませんか?
非課税のボーダーライン
「地方税法に基づき、前年の合計所得金額が135万円以下のひとり親の方は、個人住民税が非課税となります。」
住民税が非課税になると、保育料の減免や国民健康保険料の軽減など、多くのメリットがあるのは事実です。
「損したくない」が、将来の「大損」を招く
しかし、私はあえて言いたい。
「税金を払いたくないから働き方を抑える」という考え方は、シングルマザーにとって極めてハイリスクです。
その理由は3つあります。
スキルの停滞
20代・30代で「セーブした働き方」をするということは、後々、経験値・スキルが十分に積み重ねられない可能性が高くなります。
つまりは、40代・50代になった時に自身の市場価値に影響するということです。
20代・30代では、失敗や挑戦も良い塩梅でできる時期です。
そのプレミアム期間を存分に使い倒すに越したことはありません。
私自身も、20代・30代最初の頃は経験値もスキルも浅く、頑張って働いていても金額はいつも税金が増える金額のボーダーラインをうろちょろ。
それでも「ここでスキルをつけて置かなければ後々困ることになる」という危機感は常にありました。
なぜなら。
私が働き始めた頃の時代は、就職氷河期時代から始まり、リーマンショック、失われた30年と言われる期間がちょうど始まった時期。
何をしてもどんな挑戦をしても、ましてや失敗をしようものなら「自己責任、嫌ならやめろ、自分でなんとかしろ」
と言われた時代です。
正社員雇用にこだわらなくてもスキルだけはつけておこう、と踏ん張った結果、今は正規社員でなくともスキルで食べて行けるまでにはなっています。
老後資金の枯渇
非課税世帯のままで、子どもの学費とその後の自分の老後と、両方を賄うのは物理的に不可能です。
NISAなどを利用して、「お金に働いてもらう」恩恵を預かることができる投資は、余剰資金の多さと15年以上持ち続けるという長期戦が物を言います。
また、最もリスク・リターンのあう自分自身への投資と、その先にある稼ぐ力をつけてゆくのにも元手の資金と時間が必要です。
国や市からの子育て支援である程度の教育資金を賄えるとはいえ、子どもが「やりたい」と意欲を見せたときに対応できる資金力は必ず必要となります。
共同養育の対等性
自分自身が経済的に自立していることで、元夫に対しても「お金のために我慢する」必要がなくなります。
子育てのビジネスパートナーとして対等な立場で子育ての議論ができます。
私は派遣社員時代から「たとえ税金で数万円手取りが減っても、プラス3万円多く稼げるスキルを身につける」ことを優先しました。
その結果、今はデザインスキルという誰にも奪うことができない資産を持ちました。
子どもたちの私立大学の費用もすべての見通しがたち、ささやかな額ではありますが投資をできるところまできました。
「現状の得」に目を奪われ、将来の「長期目線の選択肢」を捨てないでください。
お金のリアル:共同養育と養育費の税務知識
共同養育をしている場合、養育費についても正しく理解しておく必要があります。
養育費に税金はかかるのか?
「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものについては、贈与税がかかりません。」 出典:国税庁:No.4405 贈与税がかからない場合
つまり、毎月受け取る適切な額の養育費には所得税も贈与税もかかりません。
ただし、一括で数千万円受け取るような場合は贈与税の対象になる可能性があるため注意が必要です。
また、ひとり親家庭が対象の児童扶養手当の申請時には養育費の申請欄があります。
この金額や所得によって、もらえる支給金額が変わってきますが嘘の申告はいけません。
こちらでも所得が年収約190万円以下(収入ベース:2026年1月現在)だと全額支給にはなるのですが、上記にも書いた通り。
今の貰える金額がたとえ少なくなったとしても長期目線で自分の身になる働き方をするのを全力でおすすめします。
まとめ:知識を武器に「無理なく楽しく」稼ぐステージへ
「税金は難しい」という壁を一度乗り越えてしまえば、あとはルーチン作業です。
- 「ひとり親控除」を正しく申告する(書類のチェックを怠らない)
- 「e-Tax+マイナンバーカード」で事務作業を効率化する
- 「非課税ライン」「手当の支給額」に縛られず、稼げる自分を育てる
この3つをまず最初に意識しましょう。
現状の控除のヌケモレをなくす、税金の申告に対する自分時間の確保、そして将来の家計の安定度のための働き方をする、です。
私が共同養育を10年以上続け、子どもの教育資金を貯めきることができたのは、「運が良かったから」の要素もありますが、それだけではありません。
制度を知り、リスクを管理し、そして何より「自分で稼ぐ」という意思とそこから得られる意思を手放さなかったからです。
子どもの笑顔を守るために、まずはお母さんであるあなたがお金のことを勉強し、不安から少しずつ解放されましょう。
お金周りのことに詳しくなれば、子どもへもお金の知識を伝えることができます!!!